HOME > 分析対象 > 材料 > 高分子材料
C009

ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)

1. 原理

GPC(Gel Permeation Chromatography)とは、細孔を有するカラムを用いることによって、測定対象物を分子サイズの違いで分離する手法で、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC: Size Exclusion Chromatography)とも呼ばれます。
分子サイズが小さい溶質ほど細孔の奥まで入り込むため、溶出が遅くなります。一方、分子サイズが大きいと溶質が細孔深部に入ることができず、溶出が早くなります。

図1:GPCの測定原理

図1:GPCの測定原理

2. 溶離液及び検出器

現在弊社で対応している溶離液、検出器及び測定対象の一例を表1にまとめました。

表1:溶離液毎の対応検出器と測定対象
溶解液 測定
温度
検出器 測定対象の一例
RI *1 UV 粘度計 光散乱
テトラヒドロフラン 40°C ポリカーボネート
クロロホルム × × アクリル
ヘキサフルオロイソプロパノール × ナイロン
o-ジクロロベンゼン 145°C × × ポリオレフィン

*1示差屈折検出器

3. 各検出器の測定方法

RI、UV検出器 [相対分子量]

分子量が既知のポリスチレンやポリメタクリル酸メチルを用いて検量線を作成し、基準物質換算の相対分子量を算出します。最もスタンダードな手法です。

図2:相対分子量の測定原理

図2:相対分子量の測定原理

粘度計 [絶対分子量]

RI検出器と粘度計を併用することで、あらゆる種類のポリマーに適用可能な検量線(ユニバーサルキャリブレーション)を作成し、絶対分子量を算出します。

図3:通常の検量線とユニバーサルキャリブレーションの違い

図3:通常の検量線とユニバーサルキャリブレーションの違い

光散乱検出器 [絶対分子量]

光散乱検出器によって、検量線を作成することなく分子サイズを直接求め、RI検出器と併用することで絶対分子量を算出します。

図4:光散乱検出器とRI検出器のクロマトグラム

図4:光散乱検出器とRI検出器のクロマトグラム

前のページに戻るこのページのトップへ