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C023

紫外・可視・近赤外分光光度計による反射率測定

1. 正反射(鏡面反射)および拡散反射(乱反射)

物質の表面に光が入射した場合に、正反射光と拡散反射光が生じます(図1)。正反射光は、鏡など平坦な表面で反射した(鏡面反射)光で、反射の法則により入射角と反射角が同じ角度になります。拡散反射光は、平坦でない凹凸のある表面で反射した(乱反射)光で、入射角に対して様々な角度に反射します。

図1:正反射と拡散反射

図1:正反射と拡散反射

2. シリコーンウエハの全光線反射率および拡散反射率測定

積分球付分光光度計によって標準白板を基準として、物質の全光線反射率および拡散反射率の測定が可能です。全光線反射率は、正反射光と拡散反射光の合計反射率です。拡散反射率は、正反射光を除いた拡散反射光の反射率です。
図2にシリコーンウエハの鏡面とその裏側の無光沢面について全光線反射率および拡散反射率の測定を行った結果を示します。

図2:シリコーンウエハの鏡面および無光沢面の反射率スペクトル

図2:シリコーンウエハの鏡面および無光沢面の反射率スペクトル

鏡面については、全光線反射率40〜80%に対して拡散反射率0%付近でした。無光沢面については、全光線反射率、拡散反射率ともに数10%であり、全光線反射率の方が拡散反射率よりも10%前後高い値を示しています

各測定面の全光線反射率に占める拡散反射率の割合(拡散反射度)を下式により算出できます。図3に拡散反射度スペクトルを示します。

(拡散反射率/全光線反射率)×100=拡散反射度(%)

図3:拡散反射度スペクトル

図3:拡散反射度スペクトル

鏡面の拡散反射度は全波長領域で1%以下です。反射光の殆ど全てが正反射光であり、鏡面の平坦性の高さを示しています。無光沢面の拡散反射度は60〜80%です。反射光の3割程度が正反射光であり、無光沢面の平坦性が低いことを示しています。

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