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I279

イオンクロマトグラフによるアセトニトリル中の陰イオンの定量分析

各種アルコールやアセトニトリルなど親水性有機溶媒中の陰イオンの微量分析にはイオンクロマトグラフ法(IC)が多用されています。しかしながら、一般的なループ式注入法では検出感度が足りず、大容量注入法では有機溶媒の影響で半値幅の広いブロードなピークとなり、分析が困難になります。

今回、有機溶媒中の陰イオンを高感度に分析する方法を検討しました。大容量注入法とカラム内濃縮法の長所を組み合わせ、種々検討を行った結果、弊社独自の高感度で精度の高い分析方法を構築したので紹介します。

原理

大容量注入法でイオン成分を濃縮カラム内にトラップし、その後、濃縮カラムに残存する目的イオン成分を溶出させ、測定を行う。

結果

図に50%アセトニトリル中の陰イオン成分(各10ppb)のクロマトグラムを示します。従来法では、半値幅の広いブロードなピークが検出されるため陰イオン成分の分析は困難ですが、本法では明確なシグナルが得られました。検量線(1〜10ppb)の相関係数は各イオンともに0.999以上で、従来法に比べ2〜3桁の高感度化が図られました。

図1:10ppb混合希釈標準液(50% アセトニトリル)

図1:10ppb混合希釈標準液(50% アセトニトリル)

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