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I366

Si/SiO2混合物中の金属SiとSiO2の分別定量法

1. 緒言

ケイ素(Si)は半導体や太陽電池の主成分であり、産業上非常に重要な元素の一つです。金属Siは大気中で自然に酸化され、表面にSiO2の酸化膜を形成します。試料中の金属SiとSiO2のそれぞれの濃度を求めることができれば、金属Siの酸化量を定量的に評価することができます。そこで今回、Si/SiO2混合試料を作製し、混合試料中の金属SiとSiO2を段階的な酸溶解処理のみで分別し、定量する方法の開発を行いました。前処理液中のSiの定量には、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)を用いました。

2. 分析方法と分析結果

図1: 分析操作のフローチャート

図1: 分析操作のフローチャート

表1:金属 Si と SiO2の定量分析結果

表1:金属 Si と SiO2の定量分析結果

3. まとめ

本手法により混合試料中の金属SiとSiO2を分別定量することができました。本手法はバルク分析としての定量性が高いこと、局所分析に比べて平均性が高いことが特徴です。金属Siの純度や酸化物濃度を評価する際に有用であると考えられます。

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