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M221

セルロースのSEM観察

セルロースは植物の細胞壁や食物繊維の主成分であり、とても身近な材料です。一方で、これが微細化されたものはセルロースナノファイバー(CNF)と呼ばれ、軽量・高強度の複合材料、包装、コーティングなど様々な分野への応用が期待されています。今回は、SEMを用いて、木材由来のセルロースの組織を、マイクロメートル(μm:1mの百万分の一)からナノメートル(nm:1mの十億分の一)のスケールで観察しました。

まず、木材断面のSEM像を図1(a)に示します。パルプの元となる繊維質が横方向に並んで観察されています。この木材から繊維質をほぐしたもののSEM像を図1(b)に示します。繊維質は数μm幅であることが分かります。繊維質の一部である図1(b)中矢印付近の拡大を図1(c)に、図1(c)中矢印付近の拡大を図1(d)に示します。図1(d)において、幅15nm程度の繊維が観察されており、これがセルロースミクロフィブリルの集合体に相当すると考えられます。

図1:(a)木材断面のSEM像、(b)木材由来繊維質のSEM像、(c)図b中矢印付近の拡大SEM像、(d)図c中矢印付近の拡大SEM像のSEM像

図1:(a)木材断面のSEM像、(b)木材由来繊維質のSEM像、
(c)図b中矢印付近の拡大SEM像、(d)図c中矢印付近の拡大SEM像のSEM像

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