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ネオニコチノイド系農薬の高分解能LC/MS分析
ネオニコチノイド系農薬は世界中で最も広く使用されている殺虫剤です。生態系への影響が懸念されており、近年は使用が規制される国もあります。これらのネオニコチノイド系農薬の混合試薬について、高分解能LC/MS（液体クロマトグラフ／質量分析）による定性を行いました。
図1に、ネオニコチノイド系農薬（構造は図2）の(M+H)+ に相当するイオンのマスクロマトグラムを示します。高分解能測定ならびにマスクロマトグラムの抽出幅を狭めることにより、LC/MS/MS（SRM）測定をせずに高い選択性のマスクロマトグラムが得られました。図2に各化合物のマススペクトル、表1に測定結果のまとめを示します。精密質量の誤差も小さく、これらの化合物の定性や関連化合物の構造解析には有効な分析手法と考えられます。
図1：ネオニコチノイド系農薬のマスクロマトグラム
| ピーク | 化合物名 | 測定値（Da） | 理論値（Da） | 誤差（mDa） |
|---|---|---|---|---|
| （1） | Dinotefuran | 203.1142 | 203.1144 | 0.2 |
| （2） | CPMF | 212.0957 | 212.0955 | 0.2 |
| （3） | Nitenpyram | 271.0962 | 271.0962 | 0.0 |
| （4） | Thiamethoxam | 292.0277 | 292.0271 | 0.6 |
| （5） | Clothianidin | 250.0165 | 250.0165 | 0.0 |
| （6） | Thiacloprid-amide | 271.0422 | 271.0420 | 0.2 |
| （7） | Imidacloprid | 256.0603 | 256.0601 | 0.2 |
| （8） | CPF | 199.0642 | 199.0638 | 0.4 |
| （9） | Acetamiprid | 223.0751 | 223.0750 | 0.1 |
| （10） | Thiacloprid | 253.0321 | 253.0315 | 0.6 |
- （1）Dinotefuran
- （2）CPMF
- （3）Nitenpyram
- （4）Thiamethoxam
- （5）Clothianidin
- （6）Thiacloprid-amide
- （7）Imidacloprid
- （8）CPF
- （9）Acetamiprid
- （10）Thiacloprid
図2：ネオニコチノイド系農薬のマススペクトル
