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O518

お茶飲料中カテキン類の高分解能LC/MS分析

お茶に含まれる渋み成分として、フラボノイド化合物であるカテキンがあります。これらは抗酸化作用や抗肥満作用等の様々な生理活性を持つことから、健康効果も期待されています。市販ペットボトルのお茶飲料(緑茶、焙じ茶、烏龍茶、紅茶)について、高分解能LC/MS(液体クロマトグラフ/質量分析)を行い、カテキン類の定性をしました。

図1に、各お茶のUVクロマトグラムを示します。マススペクトルより、8種カテキン類を同定しました。図2にマススペクトル、表1に測定結果のまとめを示します。精密質量の誤差が小さく、これらの化合物の定性や関連化合物の構造解析に有効な分析手法と考えられます。クロマトグラムの比較より、カテキン類は緑茶に多く含まれていることが分ります。

図1:各お茶のUVクロマトグラム

図1:各お茶のUVクロマトグラム

表1:測定結果のまとめ
ピーク 化合物名 測定値(Da) 理論値(Da) 誤差(mDa)
(1) ガロカテキン 305.0666 305.0661 0.5
(2) エピガロカテキン 305.0666 305.0661 0.5
(3) カテキン 289.0717 289.0712 0.5
(4) エピカテキン 289.0715 289.0712 0.3
(5) エピガロカテキンガレート 457.0779 457.0771 0.8
(6) ガロカテキンガレート 457.0776 457.0771 0.5
(7) エピカテキンガレート 441.0822 441.0822 0.0
(8) カテキンガレート 441.0825 441.0822 0.3
  • (1)ガロカテキン
    (1)ガロカテキン
  • (2)エピガロカテキン
    (2)エピガロカテキン
  • (3)カテキン
    (3)カテキン
  • (4)エピカテキン
    (4)エピカテキン
  • (5)エピガロカテキンガレート
    (5)エピガロカテキンガレート
  • (6)ガロカテキンガレート
    (6)ガロカテキンガレート
  • (7)エピカテキンガレート
    (7)エピカテキンガレート
  • (8)カテキンガレート
    (8)カテキンガレート

図2:緑茶中カテキン類のマススペクトル

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