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O561

質量分析(SIM法)を用いたニトロソアミン類の高感度定量分析

N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)およびN-ニトロソジエチルアミン(NDEA)は、遺伝毒性が認められている発がん性物質です。現在、バルサルタンを始めとする多くの医薬品原薬、およびそれらの製剤において、NDMAおよびNDEAについて管理指標に基づく厳しい許容限度値*が定められており、高感度な分析法が求められています。
今回ご紹介するのは、液体クロマトグラフ/質量分析(LC/MS)およびガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)におけるSelected Ion Monitoring(SIM)法によるNDMAおよびNDEAの定量分析です。例として、バルサルタン原薬中のニトロソアミン類の許容限度値を表に示し、図1〜2に各装置における標準溶液の検量線を示します。許容限度値を下回る濃度であっても、検量線の良好な直線性が認められました。このように、質量分析におけるSIM法を用いることで、ニトロソアミン類の高感度定量分析が可能です。

表:バルサルタン原薬中のニトロソアミン類の許容限度値*
化合物 許容限度値(μg/g)
NDMA 0.599
NDEA 0.166
図1:LC/MSによる各成分の検量線

図1:LC/MSによる各成分の検量線

図2:GC/MSによる各成分の検量線

図2:GC/MSによる各成分の検量線

【出典】
「NDMA及びNDEAの管理指標の設定について」
厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000414374.pdf

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