P291
ゲル浸透クロマトグラフ
−低角度レーザー光散乱検出器(GPC-LALLS)−
ポリマー溶液におけるレイリー比R (θ)と重量平均分子量Mwは以下の関係にあります。
(1)
Cは試料濃度、A2, A3は第二、第三ビリアル係数です。Kは光学的な定数で溶媒の屈折率n、屈折率の濃度勾配dn/dc、アボガドロ数N、入射光波長λで次のように表せます。
(2)
式(1)におけるP(θ)は分子内干渉因子といい、θ=0でP(θ) =1となります。LALLSは散乱角約7°における散乱光を測定するのでθ≒0とみなせるため式(3)を導くことができます。
(3)
光散乱では、濃度と散乱角度を変えてR(θ)を求め、Zimmプロットにより、C=0、θ=0を外挿することでMwを求めます(図1)。GPC条件下では、試料濃度は希薄であるため、第二ビリアル係数は無視できるので、式(4)の関係が得られ、図2のようにプロットすることで直接Mwを求めることができます。
(4)
図1:典型的なZimmプロット | 図2:LALLSにおけるZimmプロット |