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P334

セルロースナノファイバー(CNF)複合材料のTEM観察

セルロースナノファイバー(CNF)は植物の細胞壁や食物繊維の主成分を微細化したもので、これを補強材として用いた軽量・高強度の複合材料へ応用が進んでいます。CNF/樹脂複合材料の機械的特性向上のためには、樹脂中におけるCNFの分散評価が重要です。これらの複合材料を観察する手法として透過電子顕微鏡(TEM)が考えられますが、樹脂とCNFの密度差が小さいため、明瞭にCNFを観察することができません。そこで重金属を含む染色剤によりコントラストを増加させる特殊染色法を用いてTEM観察を行いました。
図1のTEM像に示すように、CNF(スギノマシン製BiNFi-s WFo-10010)を選択的に染色することにより暗く観察することができています。太いもので幅数十nm程度、細いものでは数nmのCNFがマトリックス中に分散していることが分かります。このように、複合材料中のCNFの分散状態や微細構造の明瞭な観察が可能です。

図1:CNF複合材料のTEM像(a)全体像、(b)拡大像

図1:CNF複合材料のTEM像(a)全体像、(b)拡大像

サンプルご提供:静岡大学農学部ふじのくにCNF寄付講座 特任教授 青木先生

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