HOME > 分析対象 > エレクトロニクス > 半導体
S308

走査型プローブ顕微鏡
−ベアリング解析による表面形状評価−

Siウエハ研磨面を原子間力顕微鏡(AFM)で測定した観察結果を図1に示した。試料は小さく切断したSiウエハの表面同士をG2エポキシではり合わせ、その断面をハンディラップを用いて、#1500μm→5μm→3μm→1μm砥粒の研磨紙で順に仕上げた。その後、自動研磨盤で、各粒度のダイヤモンドスラリーを用いて粗い順に、精密研磨(各10分間)を行ったものである。

各試料の表面粗さは、通常よく用いられる二乗平均粗さ(Rms)や平均粗さ(Ra)として、表1のように、求められた。

表1:各資料の表面粗さ比較
  Rms (nm) Ra (nm) Rmax (nm)
1μm 2.64 2.01 35.1
0.5μm 1.59 1.22 18.5
0.25μm 0.76 0.58 6.34
0.1μm 0.14 0.10 3.57
図1  各粒度のダイヤモンドスラリーを用いて精密研磨(各10分間)を行ったSiウエハ断面のAFM像 (2.5×2.5µm)

図1:各粒度のダイヤモンドスラリーを用いて精密研磨(各10分間)を行ったSiウエハ断面のAFM像 (2.5×2.5µm)

表1のデータからは試料表面の高さ分布についての情報は得られないが、ベアリング解析を行うと、表面全体のうち、どれだけの投影面積割合が、所定の高さより上にあるかを求めることができる。横軸に基準平面の深さを、縦軸にそれぞれの基準平面より上にある表面の投影面積割合をプロットしたベアリング曲線を図2に示した。

図2:Siウエハ研磨面の表面形状のベアリング解析結果

図2:Siウエハ研磨面の表面形状のベアリング解析結果

前のページに戻るこのページのトップへ