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S396

レーザラマンによるラミネートフィルムの分析

図1:試料の断面図

レーザラマン分光の1μm程度の空間分解能と共焦点光学系を応用した、ポリプロピレン(PP)/ナイロン(NY)/ポリエチレン(PE)で構成されたラミネートフィルムの分析例について紹介します。

下図(左)は、試料を包埋後、ミクロトームを用いて作製した断面(右図、点線)のラインプロファイルです。各層からPP/NY/PEに対応したスペクトルが得られているとともに、6μmのNY層のスペクトル中に近接する層のピークは見られず、充分な空間分解能を有していることが分かります。

一方、下図(右)は、試料を断面加工せずにPP層側表面から深さ方向に焦点位置を移動させながら測定したラマンスペクトルです。共焦点光学系により焦点位置の情報が選択的に得られるため、PP/NY/PE多層構造を反映したデプスプロファイルが得られていることが分かります。分解能は断面試料のラインプロファイルに劣りますが、励起光に対して透明であれば、断面加工などの前処理なしに試料内部の分析を行うことも可能です。

図2:試料のラインプロファイル 図3:試料のデプスプロファイル
図2:試料のラインプロファイル 図3:試料のデプスプロファイル
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