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S487

大腸菌のSEM観察

大腸菌は、ヒトや動物の腸内に主に生息し、自然環境中にも広く分布しています。ほとんどの大腸菌は無害ですが、ヒトに対して疾患を引き起こす病原大腸菌も存在します。大腸菌の大きさは数µm程度と非常に小さく、光学顕微鏡でその存在を確認することはできますが、細部の詳細な観察は困難です。大腸菌の外形や表面構造の詳細な観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)が適しています。SEM観察を行うためには大腸菌を特殊な方法で処理を行い、観察用試料を作製する必要があります。以下に、大腸菌(NBRC3972)のSEM観察用試料の作製方法とSEM写真(二次電子像)を示します。

SEM観察用試料作製法の概略

菌体採取 → 前固定 → 洗浄 → 後固定 → 洗浄 → 脱水 → 乾燥 → コーティング(帯電防止処理) → SEM試料
写真:大腸菌(NBRC3972)のSEM写真(二次電子像)
写真:大腸菌(NBRC3972)のSEM写真(二次電子像)

大腸菌のSEM観察結果より、長径約1.0〜1.6µm、短径約0.5〜0.7µmの楕円形状であり、菌体の外形だけでなく表面の微細な凹凸形状まで確認することができます。

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