HOME > 分析対象 > ライフサイエンス > 安全性評価 > 安全性試験
SE035

エームス(Ames)試験に供する被験物質の滅菌について

エームス(Ames)試験では試験系として微生物を使用しますので、被験物質中に雑菌汚染があると寒天培地上での観察の際、試験菌株との区別がつかなかったり、試験菌株の生育が阻害されるなど正しい評価が行えません。試験溶媒としてDMSOなどの有機溶媒を用いる場合、細菌類は有機溶媒によって滅菌されますが,真菌類は滅菌されないものもあります。このため、被験物質中に雑菌汚染の可能性がある場合、事前に滅菌処理を行います。

被験物質の滅菌処理の方法としては次の方法があります。

1. 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)

121℃にて、15〜20分加熱・加圧処理を行います。従って、加熱によって変化する被験物質には適用できません。実施の際は同時に高圧蒸気滅菌インジケーターを用いることで確実な滅菌条件の実施を確認します。

2. ろ過滅菌

孔径0.45μm以下の滅菌用メンブレンフィルターを通して雑菌をろ過します。主に水溶性の被験物質に適用します。

3. γ(ガンマ)線滅菌

10kGy(キログレイ)程度のγ線を照射することで滅菌を行います。加熱することなく、滅菌できますが、専用の設備が必要で、弊社では放射線照射サービス会社に外注して対応いたします。


滅菌方法としてはこの他に、乾熱滅菌やエチレンオキサイドガス滅菌などがありますが、乾熱滅菌では180℃程度の熱をかけるため、被験物質への適用は難しく、エチレンオキサイドガス滅菌はエチレンオキサイドガス自体に変異原性があるため、わずかに残留したガスが試験結果に影響を与えるおそれがあり適用できません。

前のページに戻るこのページのトップへ