HOME > 分析対象 > 材料 > 金属・無機材料
X117

面内回折法による表面構造解析(2)

全反射臨界角度近傍の極めて低い照射角でX線を入射して得られる面内(In-Plane)回折法により極表面の結晶構造が評価できます。ハードディスクの性能を決めるCo合金磁性層のc軸に関する情報を本手法により測定した例を紹介します。

試料 HD媒体
装置 理学電機製 ATX-G型 表面構造評価用 多機能X線回折装置

赤色と金色の測定チャートが図中に示す膜構造のハードディスクより得られたIn-Plane回折X線です。青色の通常のX線回折測定チャートでは観測できないCo合金磁性層のc軸:Co(002)が下地層に妨害されず明瞭に検出されています。このプロファイルによりハードディスクの性能を決定する重要な要素:格子定数や結晶性に関する情報が得られます。さらに、赤色は円周、金色は動径方向の格子面を反映しており、赤色のCo(002)が十分に出現していることから磁化方向であるc軸は円周方向に配向していることが判ります。

図:ハードディスク媒体のX線回折測定チャート

図:ハードディスク媒体のX線回折測定チャート

前のページに戻るこのページのトップへ