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X142

高分子表面の分子鎖配向性評価(2)

高分子表面は、接着、濡れ、吸着などの機能特性と密接に関連し、極めて重要であることはよく知られている。特に結晶性高分子の場合には、表面からナノメータオーダ層における結晶構造や結晶化度、分子鎖の配向性や周期性の乱れ等が機能発現において重要な役割を果たしているものと考えられる。本研究では斜入射X線回折法によりポリプロピレン(PP)フィルム表面の分子鎖の配向性に関して検討を行ったので報告する。

試料 ポリプロピレン(PP)フィルム
装置 理学電機製 ATX-G型 表面構造評価用 多機能X線回折装置

下図にPPフィルムのMD・TD両方向における(110)In-plane回折面での表面近傍に対するφスキャン面内回転測定結果を示す。両方向の回折線強度分布は、どちらもTD方向にて高強度を示していることより、(110)格子面上の分子鎖はTD方向へ優先的に配列していると推察された。結晶構造を考慮するならば、ラメラ長の方向もTD方向へ揃っているものと考えられる。

図:PPフィルム(110)In-plane回折線強度分布図

図:PPフィルム(110)In-plane回折線強度分布図

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