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M225

セルロースナノファイバー(CNF)複合材料の3D-STEM観察

セルロースナノファイバー(CNF)を補強材として用いた軽量・高強度の複合材料へ応用が進んでいます。CNF/樹脂複合材料の機械的特性を理解するために重要であるCNFの三次元分布を、電子線トモグラフィ法を用いて可視化しました。
図1(a)(b)に明・暗視野の断面STEM像を示します。CNF(スギノマシン製BiNFi-s WFo-10010)を選択的に重金属で染色しているため、CNFはマトリックスであるポリプロピレン(PP)に比較して明視野では暗く、暗視野では明るく観察されています。図1(a)(b)中の白枠領域を電子線トモグラフィ法により三次元再構成した構造を図2に示します。さらに、図2の任意位置でスライスした三面図を図3に示します。二次元観察では把握困難な試料の厚み(Z)方向に配向したCNFも、三次元再構成により確認できます。

図1:(a)CNF①のSEM像、(b)STEM像

図1:断面STEM像(a)明視野、(b)暗視野

図2:(a)CNF②のSEM像、(b)STEM像

図2:三次元再構成像
X:612nm、Y:696nm、Z:85nm

図2:(a)CNF②のSEM像、(b)STEM像

図3:三次元再構成像(三面図)
(a)Z view、(b)Y view、(c) X view

サンプルご提供:静岡大学農学部ふじのくにCNF寄付講座 特任教授 青木先生

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