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M256

FIB法を用いた鉄腐食部の断面SEM-EDS分析

走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の前処理(断面試料作製)には、破断法や研磨法、ミクロトーム法、イオン研磨法など様々な手法が用いられています。今回ご紹介するFIB(Focused Ion Beam)法は、サブミクロンオーダーの位置精度で断面加工が出来るため、異常部や欠陥部、微細構造部などの加工に位置精度が求められる断面SEM分析において、非常に有効な前処理手法となります。以下に鉄腐食部での評価事例を示します。

腐食部の表面SEM像(二次電子像、反射電子像)を図1に示します。次に、腐食部の断面SEM像(反射電子像)*1、EDS(Energy dispersive X-ray spectroscopy)マップ*1を図2、図3に示します。

腐食部(幅30µm程度、厚み1.5µm程度)はO、Feが主体であり、表面近傍にはO、Si主体の領域が存在することが分かりました。これらの情報は製品異常部の発生原因を特定することに役立つため、製品の品質向上、歩留まり向上に繋がることが期待されます。

図1:表面SEM像(左)二次電子像、(右)反射電子像
図2:断面SEM像(反射電子像)(右)矢印部拡大
図3:EDSマッピング分析結果(元素マップ、ネットカウント表示)

*1 試料45°傾斜して測定

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