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AN1303

シーケンシャル型 ICP発光分光分析装置
ICP-AES:Inductively coupled plasma - Atomic emission spectrometry

1. 特徴

  1. 試料中の無機元素を定性・定量できます(%〜ppmレベル)。
  2. マルチ型ICP-AES装置よりも高い波長分解能を有するため、複雑な組成の溶液中の微量元素分析にも対応します。
  3. 広い測定波長領域(130nm〜770nm)を有します。

2. 原理、概略図

試料水溶液のミストをアルゴンプラズマ中へ導入し、励起された元素の発光スペクトルを検出します。発光スペクトルは元素により固有であるので元素の種類がわかります。また、発光スペクトルの強度から、元素の濃度が分かります。

図1:装置写真(SPS3520UV)   図2:ジルコニウムとバナジウムの発光スペクトル
図1:装置写真(SPS3520UV)   図2:ジルコニウムとバナジウムの発光スペクトル

3. 主な性能・仕様

観測方式 ラジアル方向観測
分光器 4320本/mm、1800本/mm(高次光+光学フィルター)
マウント方式 ツェルニターナ型
波長範囲 130−770nm
測定可能な元素 約70元素
定量下限値 測定溶液中濃度で数十ppb−数百ppb

4. 分析依頼時の留意点

  1. 試料の性状によって最適な前処理を行い溶液化してから測定する必要があります。
  2. 必要な試料量は、目的とする感度(定量下限)によって異なりますが、例えば固体中の金属元素を定量下限5ppmで分析する場合、約1〜5g必要となります。詳しくはご相談ください。

5. 測定データ例

ICP-AESによる玄米中の無機元素分析(共同実験)

分析結果の信頼性を確保するためには、トレーサビリティを確保し、不確かさを適切に評価するバリデーションが必要となります。当分析センターは定期的に技能試験に参加し、技術レベルの向上に努めています。

下記にNMIJ主催の技能試験「バリデーションと不確かさ評価のための技能試験 第4回:玄米中無機元素分析」の試験結果について紹介いたします。

技能試験の概要
主催 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)
試験の名称 第4回:玄米中無機元素分析
分析試料 玄米粉末
分析元素 Mn、Fe、Cu、Zn、As、Cd
試験結果*1
元素 Mn Fe Cu Zn As Cd
平均値(µg/g)*2 26.1 11.5 4.18 31.1 0.282 0.296
当社報告値(µg/g) 27.6 11.8 4.33 33.4 0.301 0.315
Zスコア 0.58 0.23 0.28 0.77 0.35 0.33
分析方法 ICP-AES ICP-AES ICP-AES ICP-AES (ICP-MS) (ICP-MS)
  • *1 平均値、当社報告値は、3桁で表示(4桁目を四捨五入)
  • *2 平均値は、ロバスト平均値((全報告値の50%-150%の範囲外にある値を除外したデータから算出)
  • *3 Zスコアは、正規分布を用いる統計学的検定法で、報告値と中央値が統計学的にみて有意に異なるかを検定する方法です。|Z|≦2を満たせば分析値は満足できると言えます。
  • *4 AsとCdについては、濃度が低かったためICP-MSで分析を行いました。

試験結果について

全元素について、Zスコアの評価基準で「|Z|≦2 満足」の結果を得ることが出来ました。

当分析センターの分析結果は、信頼性が確保されていると評価されています。

6. 適用例

各種材料の組成分析と微量元素分析

  1. 金属、触媒、セラミックス、電池など、材料の組成分析や微量元素分析
  2. ポリマー、医薬品中間体、食品、包装材料、その他 有機物中の微量不純物分析
  3. 酸、アルカリ、金属、金属水酸化物中のハロゲン分析

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