宇部興産株式会社(社長:竹下道夫)は、世界的なポリカーボネートジオール(PCD)需要拡大に対応するため、ウベケミカルヨーロッパ社[UBE Chemical Europe S.A.](社長:リカルド・ロペス)にPCDの2期製造設備(3,000t/年)を新設することを決定した。稼動開始は2012年1月の予定。
PCDは宇部興産のファインケミカル事業の主力商品の一つで、主にポリウレタン主原料のポリオール成分として使用されている。従来のポリエステルやポリエーテルを使用したポリウレタンと比較して耐熱性・耐加水分解性・耐油性・耐候性など多くの面で優れており、高機能で耐久性に優れた材料として近年需要が急拡大している。特に自動車用途で内装(シート、ダッシュボード、ドア内装など)のほか、外装用塗料(中塗り、上塗りベース)においても需要が急増しており、電子材料用途等も含め幅広い分野で新たな高機能材料としての認知が高まっている。
VOC規制強化などへの対応のため、溶剤を含まない環境対応型水性塗料(PUD:水系ポリウレタンディスパージョン)の原料としてのニーズも高まっており、今後も継続的な需要拡大が見込まれている。
宇部興産は日本とスペインにPCDの製造設備を持ち、グローバルな供給体制を実現している。またPCDの主原料である1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチル(DMC)も自製しており、コスト競争力でも優位に立つ。今回のスペインでの2期設備により生産能力は日本2,000t/年・スペイン6,000t/年となり、世界最大のPCDメーカーとなる。
今後は、生産能力増強のみならずユーザーニーズに対応した新規グレード開発にも注力し、世界一のPCDメーカーとしての地位をより強固なものにし、市場を牽引していく。
所在地 | スペイン王国カステジョン市 |
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事業内容 | カプロラクタム、硫安、ファインケミカル製品の製造・販売 |
設立 | 1967年7月 |
資本金 | 34,265千ユーロ |
出資比率 | UBE Chemical Europe S.A. 100%(宇部興産 100%) |
代表者 | President(CEO)Ricardo Lopez(リカルド・ロペス) |