宇部興産、ノボ ノルディスクに非アルコール性脂肪肝炎治療薬候補化合物UD-014の全世界における独占的ライセンスを供与

ノボ ノルディスク社（本社：デンマーク・バウスベア、社長：Lars Fruergaard Jørgensen）および宇部興産株式会社（本社：山口県宇部市、社長：泉原雅人）はこのたび、宇部興産が創出した前臨床段階の候補化合物UD-014について、全世界における独占的ライセンスをノボ ノルディスクに供与しましたのでお知らせいたします。UD-014は、Semicarbazide-Sensitive Amine Oxidase / Vascular Adhesion Protein-1（SSAO/VAP-1）選択的阻害薬（低分子化合物）で、前臨床試験において、内皮細胞に対する抗炎症作用および抗酸化作用について期待できる有効性を示したことから、非アルコール性脂肪肝炎（NASH）の治療に使用される可能性があります。

NASHは、肝臓内の脂肪蓄積および炎症を特徴とする慢性進行性肝疾患で、肝線維症や肝機能障害を引き起こす可能性があります。NASHは、放置すると末期肝疾患、肝がん、肝移植が必要な状態など、患者が深刻な事態に直面することがあり、肝関連死亡のリスクが著しく上昇します。

本契約により、ノボ ノルディスクはUD-014に関して、今後の開発、製造及び販売に関する権利を獲得します。

ノボ ノルディスクグローバル創薬部門のシニア・バイス・プレジデントであるマルクス シンドラーは「ノボ ノルディスクにとってこれは、存在感を高めNASHへの投資を拡大する絶好の機会です。現在はNASHの治療法が確立されておらず、プロジェクトの移転やUD-014の継続開発で宇部興産と密接に協力していきたいと思います。」と話しています。

宇部興産執行役員で化学カンパニー医薬事業部長の舩山陽一は「当社は、複雑な疾患であるNASHについて、より多くの治療選択肢が提供されることを願っており、その選択肢としてUD-014が有力な潜在的候補になると考えます。糖尿病や代謝性疾患に関して幅広い知識を持つノボ ノルディスクが本化合物の開発に関与することをうれしく思います。この重要なプロジェクトの移転によりノボ ノルディスクのチームと共に作業できることを楽しみにしています。このプロジェクトは、NASHの治療を受けていない多くの患者に変化をもたらす可能性があります。」と話しています。

宇部興産について

宇部興産は、化学を中心に、医薬品、建設資材、機械、エネルギー・環境の各分野でも事業を展開しています。医薬事業では特に、豊富な技術力をベースとした創薬に重点を置き、人々の健康増進に貢献することを目指しています。医薬の発展に貢献すべく、「自主および共同研究プロジェクトによる創薬」と「原薬（API）や中間体の製造と供給」の両輪を通じて、新薬のシーズの創出に引き続き努めています。
詳細はウェブサイト（http://www.ube.co.jp）をご参照ください。

ノボ ノルディスクについて

ノボ ノルディスクは、世界的ヘルスケア企業として、95年以上にわたり革新的な技術で糖尿病治療をリードしてきました。また、これまで培ってきた経験と能力を活かして、血友病や成長障害、そして肥満など、糖尿病以外の深刻な慢性疾患を抱える人々をサポートしています。デンマークに本社を置き、世界80カ国に約4万1,600人の社員を擁し、製品は170カ国以上で販売されています。
詳細はウェブサイト（novonordisk.com）、Facebook、Twitter、LinkedIn、YouTubeをご参照ください。