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I308

認証標準物質NMIJ CRMの分析 「メカジキ魚肉粉末中の元素分析」

分析データの信頼性を確保する方法の1つとして、計量トレーサビリティが確立された標準物質(認証標準物質)を用いた分析精度管理があります。当分析センターでは、認証標準物質を使用し、分析法の妥当性確認を行っています。

その分析事例として、「メカジキ魚肉粉末中の元素分析」について紹介をします。

1.認証標準物質*1の詳細

提供元 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)
CRM No. 7403-a
物質名 メカジキ魚肉粉末
*1   認証標準物質(CRM)とは、計量学的に妥当な手順によって値づけされ、値とその不確かさ、 計量学的トレーサビリティを
記載した認証書が付属している標準物質のこと

2.分析結果

表1:メカジキ魚肉粉末中の元素の分析結果
元素 Na
(g/kg)
Mg
(g/kg)
P
(g/kg)
K
(g/kg)
Ca
(g/kg)
認証値*2 3.57±0.12 1.58±0.04 14.5±0.4 26.3±1.1 0.189±0.009
当社分析値*3 3.52 1.60 14.4 25.9 0.191
Zスコア 0.8 -1.0 0.5 0.7 -0.4
分析方法*4 ICP-AES ICP-AES ICP-AES ICP-AES ICP-AES
*2   認証値±拡張不確かさ
*3   n=3の平均値
*4   前処理は全て開放系酸分解で実施

3.Zスコア

Zスコアの評価基準

正規分布を用いる統計学的検定法で、分析値と認証値が統計学的に 有意に異なるかを検定する方法です。下記の式(1)から算出されます。

Zスコア=(分析値−認証値)/標準不確かさ・・・(1)

4.まとめ

全ての元素について、Zスコアの評価基準で「|Z|≦2 満足」の結果を得ることが出来ました。当分析センターの分析結果は、信頼性が確保されていると言えます。今後も引き続き信頼性の高い精確なデータを提供するために、技術レベルの向上に努めていきます。

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