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O565

ニトロソアミン類の高感度定量分析

近年、国内外において、サルタン系医薬品等から発がん性物質であるニトロソアミン類が検出され、一部の製品が自主回収されています。EMA(欧州医薬品庁)及びFDA(アメリカ食品医薬品局)によるガイダンス制定に続き、厚生労働省から「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」(発出年月日/令和3年10月8日、薬生薬審発1008第1号、薬生安発1008第1号、薬生監麻発1008第1号)が通知されました。

ニトロソアミンは低濃度でも人への健康リスクがあるとされ、各化合物で摂取許容量が定められています。この基準を満たすためには、ppbオーダーやそれ以下の濃度を評価できる高感度での分析手法が必要となります。下記に当社のトリプル四重極LC/MS/MS(Selected Reaction Monitoring法:SRM法)を用いた分析事例を示します。各ニトロソアミン類について、測定溶液濃度0.1ng/mLの低濃度でも明確にピークを検出できます。

各ニトロソアミン類それぞれのピークが分かれているグラフ

図1:各ニトロソアミン類のSRMクロマトグラム
(0.1ng/mL)

モニターイオン(m/z)

  • NDMA:75>58
  • NDEA:103>75
  • NMOR:117>87
  • NDELA:135>104
  • NMPA:137>66
  • NDBA:159>57
強度範囲0から25000、相関係数R2=0.9992を示す検量線グラフ

図2:NDMAの検量線
(0.025ng/mL〜1.0ng/mL)

略称一覧

  • NDMA:N-ニトロソジメチルアミン
  • NDEA:N-ニトロソジエチルアミン
  • NMOR:N-ニトロソモルホリン
  • NDELA:N-ニトロソジエタノールアミン
  • NMPA:N-ニトロソメチルフェニルアミン
  • NDBA:N-ニトロソジブチルアミン

対応試験

  • 簡易的なスクリーニング試験
  • 信頼性の基準対応での分析法バリデーションならびに実測定

当社の強み

当社では、各種公的機関(FDA、EMAなど)から発出されている試験法のトレースだけでなく、

  • 試料:原薬 / 製剤 / 添加剤 / 包装容器 など
  • 対象成分:厚生労働省の通達に記載の9成分 / それ以外のニトロソアミン類ニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRI:Nitrosamine drug substance related impurities)
  • 定量限界:FDAの通達に記載のある0.03ppm / あるいはそれ未満
  • 原因物質:ニトロソアミンの生成原因である亜硝酸の定量

等について、適切な事前検討を行いお客様のご希望に沿った分析法を開発することも可能です。まずはお気軽にお問合せ下さい。

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