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M262

FIB-STEM法を用いた有機ELディスプレイの分析

有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイは、高画質、高コントラストで、応答速度も速いため、パソコンやスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ、スマートグラスなど、様々な製品に利用されています。今回、FIB(Focused Ion Beam)- STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)法を用いて、有機ELディスプレイの断面構造解析を行いましたので、以下に紹介します。

有機EL素子部の断面暗視野STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)像を図1に示します。ガラス基材上に陽極(透明電極)、ホール輸送層(層1)、発光層(層2)、電子輸送層(層3)、陰極(Al、LiF)と考えられる層構造が観察されました。次に、EDS(Energy dispersive X-ray spectroscopy)マッピング分析結果を図2に示します。ホール輸送層、発光層、電子輸送層ではC / N / O比が異なることが示唆されました。これらの情報は、製品開発において、有益な情報となることが期待されます。また、本分析法を用いて、有機ELディスプレイの異物分析[1] や欠陥解析[2] を行うことも可能です。

図1:断面暗視野STEM像
図2:EDS元素マッピング
(a)Cマップ、(b)Nマップ、(c)Oマップ、(d)Fマップ、*1:In-M線の影響、*2:酸化の影響

[1] 技術資料「FIB-TEM法を用いたSiウエハ上の微小異物の分析

[2] 技術資料「FIB-TEM法を用いたパターン配線上の微小異常部の分析

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