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O453

元素分析におけるNaの妨害への対策

元素分析(CHN分析)において、アルカリ金属、アルカリ土類金属は、燃焼の際に炭酸塩を生成し、Cの定量値に影響を及ぼすことが知られています。その対策として、炭酸塩の生成を抑制する目的で、添加剤として三酸化タングステン(WO3)を用いる手法が知られています(図1)。Naを含有する試料(EDTA;図2)について、WO3の添加量を変化させた際のCの定量値の理論値からのずれを示します(図3、4)。

図1:WO3による炭酸塩の抑制 図2:試料(EDTA)のCHN及びNaの含有率
図1:WO3による炭酸塩の抑制 図2:試料(EDTA)のCHN及びNaの含有率
   
図3:CにおけるWO3添加量の影響(重量) 図4:CにおけるWO3添加量の影響(モル比)
図3:CにおけるWO3添加量の影響(重量) 図4:CにおけるWO3添加量の影響(モル比)

その結果、添加量を増やすごとに理論値に近づいていくことが分かります(図3)。今回の試料については、Naに対しおよそ20倍量のWO3の添加で、炭酸塩の生成を抑制できていることが分かります(図4)。なお、この必要量は試料(種類、状態等)により異なるため、個別に検討する必要があります。

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